Qlikが世界の企業4200社を対象に実施したAI導入に関する調査の結果を発表した。日本では大企業のAI投資が縮小しており、その背景には「AIへの信頼の欠如」があることが分かったとしている。
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Qlikは2024年12月25日(現地時間)、世界の企業4200社を対象に実施したAI導入に関する調査の結果を発表した。日本では大企業のAI投資が縮小しており、その背景には「AIへの信頼の欠如」があることが分かったとしている。
調査によると日本の経営幹部の80%は、「戦略目標の達成のためにはAIが不可欠、もしくは非常に重要」だと感じているという。一方で、日本の回答者の54%は「AIに対する信頼の欠如に苦しんでいる」ことも分かった。
信頼性の他、AIスキルやリソースの不足、ガバナンスの問題などもあり、AIプロジェクトを完遂できていない状況もある。日本の大企業の37%は「実施段階に到達していないプロジェクトが10件以上ある」と回答しており、25%は「計画段階移行まで進んだものの中断もしくは中止になったプロジェクトが10件以上ある」と答えている。
プロジェクトが失敗する要因としては「AI が使用する信頼できるデータの不足」(30%)や「AI が活用できるデータの不足」(24%)、「開発スキル不足」(24%)、「データガバナンスの課題」(24%)などが挙げられた。いずれもグローバル平均より割合が高かった。
Qlikにおいて最高戦略責任者を務めるジェームズ・フィッシャー氏は次のように述べている。
ビジネスリーダーはAIの価値を認識しているものの、実証実験段階から価値を創造するための実装段階への移行を妨げる多くの障壁に直面しています。AI戦略を構築する第一歩は、明確なユースケースを特定することです。その際には、目標と成功の指標を定義し、それを基に、規模を拡大してサポートするために必要なスキル、リソース、データを特定します。そうすることで、信頼を築き、経営陣の賛同を得ることができ、成功につながります。
本調査は、4200社の大企業を対象に実施され、日本を含む19市場におけるAI導入の障壁とその克服方法を明らかにしたものだ。信頼の構築がAI活用を加速させる鍵であり、今後の発展に向けた重要な課題であることが浮き彫りになったといえる。
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