生成AI時代にZoomはどう変わるのか? Zoom Communicationsに社名変更後の動き

ビデオ会議ツールのイメージが強いZoomだが、今やAIを活用してビジネスシーンで役立つさまざまなサービスを展開している。人々の働き方を変えるべく、AIを通じて新たな可能性を模索中だ。

» 2025年01月06日 10時00分 公開
[Alexei AlexisCFO Dive]
CFO Dive

 Zoom Video Communicationsは、AIに焦点を当てたリブランディングを目指し、社名を「Zoom Communications」に変更したと2024年11月25日に発表した。エリック・ユアン氏(CEO)は、新しい社名は同社の拡大する事業領域と長期的な成長計画をより正確に反映しているとブログ投稿で述べている(注1)。社名変更が示す、同社の製品の変化とは何か。

社名変更でZoomはどう変わる?

 「当社は今や、ビデオ会議ツールを提供するだけの企業ではない。AIファーストの企業であり、シームレスなコラボレーションを可能にする最新のハイブリッドワークソリューションを提供している」(ユアン氏)

 Zoom Communicationsは、AIを急速に自社製品に取り入れている数多くの大手テックベンダーのうちの1社だ。

 2024年10月、同社は「Zoom AI Companion 2.0」を発表した。同社はこれについて「重要な情報を提示して最優先事項を特定し、『Zoom Workplace』でのやりとりを行動に変えることでユーザーが1日を通してより多くの仕事をこなせるように支援する追加費用のかからない次世代AIアシスタント」と説明している(注2)(注3)。

 加えて2023年には、同社は文書作成とコラボレーション向けのAI対応製品、「Zoom Docs」を発表した(注4)(注5)。

 「このようなツールは、われわれが新たな可能性を再構築するための序章にすぎない」とユアン氏はブログ投稿で述べている。

 同社は第3四半期の総収入が11億8000万ドルに達し、前年同期比で3.6%増加したと2024年11月25日に発表した(注6)。同社幹部によると、AIへの投資が大きな役割を果たしたという。

 同社は2024年10月7日付で、ケリー・ステッケルバーグ氏の後任としてMicrosoftでのキャリアの長いミシェル・チャン氏を新CFO(最高財務責任者)に任命したと同日に発表した(注7)。

 同氏は就任後初の決算説明会で「Zoom AI Companionの月間アクティブユーザー数が前四半期比で59%増加し、AIファーストのビジョンに向けた進展が見られた」と語った。

 一方、退任したステッケルバーグ氏はクリエイティブデザインソフトウェアを開発するCanva PtyのCFOとして採用されたと2024年11月第4週に「Bloomberg」が報じている(注8)。

 Zoom Communicationsの有価証券報告書によると、同社でのチャン氏の報酬は基本給58万ドルと、その90%に相当する年間ボーナス(2025年度に案分適用)が含まれている(注9)。提出書類に添付されたオファーレターの条件では、同氏はワシントン州の自宅とワシントン州シアトルまたはその周辺にあるZoomのオフィスからリモートで働くことが認められているという。

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