複数のトンネリングプロトコルに新たな脆弱性が発覚した。日本を含めた全世界の420万台以上のVPNやルーターが攻撃のリスクにさらされる可能性があるという。
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Top10VPNは2025年1月15日(現地時間)、複数のトンネリングプロトコルに新たな脆弱(ぜいじゃく)性が見つかったと報告した。VPNサーバや家庭用ルーターを含む420万以上のインターネットホストが攻撃者による乗っ取りの危険にさらされており、匿名攻撃の踏み台として悪用される可能性がある。
調査によると、218の国または地域に脆弱なホストが存在することが判明しており、その中には日本も含まれているという。
発見された脆弱性のCVE情報は以下の通りだ。
調査によると、影響を受けるトンネリングプロトコルにはIPIP/IP6IP6、GRE/GRE6、4in6、6in4が含まれ、特にVPNサーバやISP提供のホームルーター、モバイルネットワークのゲートウェイなどが脆弱であることが明らかになっている。
攻撃者はこれらのプロトコルを悪用し、送信者を認証せずにトンネリングパケットを受け入れるホストを利用する。これらの脆弱性を悪用して一方向プロキシとしての悪用やDoS攻撃、DNSスプーフィング、オフパスTCPハイジャック、SYNフラッド攻撃などの複数のサイバー攻撃を実行する可能性がある。
国や地域別に見ると、脆弱なホストは特に中国とフランスが最も多く、日本や米国、ブラジルなどでも検出されている。影響を受ける自律システムは全世界で1万1000台以上に上り、特にSoftbank、Eircom、Telmex、China Mobileなどが大きな影響を受けている。約40%の脆弱な自律システムがスプーフィングを防ぐフィルタリングを実施していないことが判明している。
インターネットに接続されたデバイスのセキュリティを強化することが推奨される。トンネリングプロトコルの設定を見直し、トンネルトラフィックの認証および暗号化のためにIPsecなどの追加のセキュリティレイヤーを導入することが望まれている。
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