ローム、安全な電子メール・Web利用に向けてMenlo Securityを導入:セキュリティソリューション
電子部品メーカーのロームは、インターネット分離ソリューション「Menlo Security」を採用した。同社はテレワークの増加といった働き方の変化に伴い、安全な電子メールやWeb利用を模索していた。
メンロ・セキュリティ・ジャパンは2025年3月17日、電子部品メーカーのロームがインターネット分離ソリューション「Menlo Security」を採用したと発表した。
ロームはテレワークの増加といった働き方の変化に伴い、ゼロトラストアクセスを可能にするMenlo Securityと、セキュアWebゲートウェイ(SWG)を導入し、安全にWebや電子メールを利用できるセキュリティ環境を構築した。2023年10月に国内、2024年2月には海外関連会社での展開を完了させており、現在は約1万2000人のユーザーが利用しているという。
ロームがMenlo Securityを導入 採用の決め手は?
ロームでは、社内端末は原則、一部の業務管理用ツールへのアクセスを除いてインターネット接続できない。各部署に2〜3台設置されているインターネット用端末は業務で使用する信頼できるWebサイトだけを認定するホワイトリスト型でセキュリティ対策を講じていた。
しかし新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、テレワークに対応するため、従来は営業職のみに貸与していたノートPCを全従業員に配布することになった。しかしこれまで、営業職が利用していたVPN接続では、接続台数が大幅に増加したことでネットワークが逼迫(ひっぱく)し、性能の低下を招いていた他、標的型攻撃メール訓練では一定数の開封が確認されていた。このような課題を解決するため、ゼロトラストアクセスを可能にするソリューション、電子メール経由の脅威を排除できるソリューションを検討したという。
Menlo SecurityはWeb無害化や電子メール無害化、ゼロトラストアクセスを実現するためのSWGやZTNA(ゼロトラスト・ネットワーク・アクセス)といったセキュリティサービスエッジ(SSE)ソリューションを提供している。
ロームは今回のセキュリティ対策において最優先事項を、電子メール添付ファイルにおける無害化機能の導入としていた。他社と比較して検討していた予算で、Webの無害化機能とSWGも合わせて導入でき、将来的にZTNAまで拡張できる点が評価してMenlo Securityを採用した。同社はMenlo Securityを導入することで、各端末における電子メールやWeb経由の脅威を無害化し、より安全なメール、Web利用を実現した。
導入後は、電子メール経由のマルウェア感染や、不正なデータをローカル端末にダウンロードしてしまうといったインシデントも発生していない。電子メールやWebの表示のレスポンスにも問題なく、リモート環境下においても利便性を損なわずにセキュリティを確保できている。
ロームは今後、Menlo Securityを通じた外部及び内部脅威に対するセキュリティ対策の自動化の他、アクセスログを分析し、業務に不要なWebサイトに対する適切なアクセスポリシーを適用するなどして、運用や業務効率化につなげることを検討している。
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