最近、いわゆる「100円ショップ」でスマートフォンやPCを便利に使えるアクセサリー類がよく販売されている。その“実力”はいかほどのものか……?
今回はキャンドゥで330円の「充電・転送ケーブル Type-C/Type-C 1.0m」(丸七製)を試した。
本記事に掲載されている商品は、全ての店舗で販売されているとは限りません。また、全ての携帯電話/タブレット/PCでの動作を保証するものではありません。
本製品のケーブル長は1mで、パッケージにも書いてある通りUSB PD(Power Delivery)対応の充電アダプターと組み合わせて使うと最大60W(20V/3A)での給電にも対応する。端子とケーブルの境目はロングプッシュで断線を防止する仕組みだ。さらに発熱防止機構も備えており、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)による「モバイル充電安全認証」を取得している。
ケーブル自体も分厚いビニールで被覆されている感触で、この時点で330円するケーブルとしてはかなり品質が高そうだ。
本製品で唯一残念なポイントを挙げると、ケーブルのデータ転送速度だろうか。本製品はUSB 2.0規格で、最大480Mbps(理論値)での通信しかできない。スマホをメインターゲットに据えるなら、確かにエントリーだとUSB 2.0までしか対応できないモデルがほとんどだが、ミドルレンジ以上だとUSB 3.2 Gen 1(USB 3.0/USB 5Gbps)以上の規格に対応するモデルが多い。ミドルレンジ以上のスマホのUSB端子の転送速度を生かせないのは残念だ。
今回、試しにUSB 3.2 Gen 1に対応したノートPCと「Google Pixel 7 Pro」を接続して合計2GB(116個)のファイルを転送したみたが、所要時間は1分程度になった。少なくとも、USB 2.0規格の転送速度は確保できているようだ。
Pixel 7 ProはUSB PDに対応しており、最大受電能力はPPS(Programmable Power Supply)対応電源の場合は最大11V/3A(33W)、非対応PD電源の場合は最大9V/3A(27W)となっている。試しに最大100W出力のUSB PD電源(PPS非対応)とつないで充電してみたところ、3分でバッテリーを10%→20%まで充電できた。きちんとPD規格で充電できているのは確認できたのだが、機器が機器だけに“フルパワー”を試すことはできなかった。
本製品は330円という価格で1mとそこまで長いケーブルではないが、価格の割に高品質であることは間違いない。ただし、データ転送能力はUSB 2.0となるため、データ転送用途に使う場合は注意が必要だ。
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