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インタビュー

Nothingに聞く、着せ替えスマホ「CMF Phone 1」の正体 4万円台やおサイフケータイなしの意図は?(1/2 ページ)

英Nothing Technologyは10月1日にCMFブランド初のスマートフォン「CMF Phone 1」を発売した。同ブランド初のスマホCMF Phone 1は背面のカバーを付け替えて、自分好みの外観にできる。Nothingブランドがある中で、CMFブランドを日本で売る理由は何かなどを、Nothing Technologyで日本におけるマネージングディレクターを務める黒住吉郎氏に聞いた。

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 英Nothing Technologyは10月1日にCMFブランド初のスマートフォン「CMF Phone 1」を発売した。直販価格は4万4800円(税込み、以下同)。インターネットイニシアティブ(IIJ)ではワイヤレスイヤフォン「CMF Buds」(6600円)とセットにして3万9800円で販売している。

CMF Nothing
「CMF Phone 1」。左からライトグリーン、ブラック、オレンジ

 CMFはColor、Material、Finishに由来し、手頃な価格ながらユニークなデザインが特徴だ。同ブランド初のスマホCMF Phone 1は背面のカバーを付け替えて、自分好みの外観にできる。直販サイトではカバー(4980円)、首からさげるためのストラップ(2980円)、カードホルダー(2980円)、スタンド(1980円)を販売している。CMF Phone 1自体は英国や米国などで7月から販売されており、今回、日本でも発売された格好だ。

 スペックとしてはミッドレンジクラスとなる。プロセッサにMediaTek Dimensity 7300、OSにはAndroid 14ベースのNothing OS 2.6を採用。6.67型でリフレッシュレート120Hzの有機ELディスプレイや、5000万画素で広角レンズのアウトカメラ、1600万画素のインカメラを搭載する。

CMF Nothing
CMF Phone 1のホーム画面。ディスプレイは6.67型の有機ELを搭載する

 ただ、Nothingのスマホとしては、よりスペックの高い「Nothing Phone (2)」と「Phone (2a)」を市場に投入済み。どちらもパーツの交換はできないが、LEDの「Glyphインタフェース」を活用し、着信や通知などが視覚的に分かる。

 この2ラインがある中で、CMF Phone 1を新たに投入する意図は何か、NothingとCMFのブランドの考え方はどう違うのか、日本市場向けのカスタマイズはあるのかなど、Nothing Technologyで日本におけるマネージングディレクターを務める黒住吉郎氏に聞いた。

CMFブランドとはどのような位置付けか イヤフォンとスマートフォンを同時発表する意図は

―― そもそもCMFブランドを日本に持ってきた理由は何でしょうか。

黒住氏  CMFはサブブランドとして定義していますが、トヨタの中にトヨタとレクサスがあるようなイメージです。そこまで強く分けるイメージはありません。プロダクトのシリーズみたいなイメージでも考えていただければと。

 デザイン性を重視し、お客さまに対して、新しいデザインイノベーションを提供していきたい、という考え方はCMFもNothingでも同じですが、CMFではよりアプローチしやすい価格帯を目指しています。

 Nothingにも通じる部分ではありますが、それをプロダクトのシリーズでより分かりやすくするために、CMF by Nothingとしてブランドのような形で展開しています。

CMF Nothing
背面(側面を含む)のパーツを交換できるCMF Phone 1
CMF Nothing
Nothingが上位モデルとして展開する「Nothing Phone (2)」。背面のLEDが点灯し、視覚的に着信や通知の有無が分かる

―― CMFではワイヤレスイヤフォン「CMF Buds Pro 2」、スマートウォッチ「CMF Watch Pro 2」が先に出て、スマートフォンの発売が後発になった理由を教えてください。

黒住氏  Nothingもオーディオ製品のイヤフォンから始まっています。われわれとしてはオーディオ製品を開発しやすいですし、ユーザーさんから見てもアプローチしやすい製品として位置付けられていると思います。もちろん、オーディオ製品はわれわれからユーザーさんへもアプローチしやすいと考えています。

―― オープンイヤー型のワイヤレスイヤフォン「Nothing Ear (open)」とCMF Phone 1を同時発表したように、基本的にはスマホとオーディオ製品はセットで訴求したいと。

黒住氏 もちろん、それはありますね。ユーザーが身につけているテクノロジープロダクトで圧倒的に数が多いのは、今や3つに絞られています。1つはスマートフォン。日本において1年間に3000万〜3500万台が販売されています。その次にあるのは恐らくイヤフォンだと思います。調査機関にもよりますが、およそ700万台が販売されています。

CMF Nothing
外耳道、耳の上、耳の後ろで支える構造で、耳への負担を軽減する「Nothing Ear (open)」
CMF Nothing
大型の14.2mmのダイナミックドライバーを搭載。Nothingが独自にカスタムした振動版も採用した
CMF Nothing
ケースの薄さにもこだわったそうだ

 さらにその次にあるのが、多機能なものからシンプルなものまである、スマートウォッチですが、この領域はなかなか数字が出にくいです。われわれはテクノロジーでもう1回、皆さんをワクワクさせたいと思っているので、この領域もしっかりとやっていきたいです。

CMF Phone 1はインドで爆発的な販売数を記録

―― CMF Phone 1はもともと海外で販売されていましたが、売れ行きはいかがでしょうか。

黒住氏 いいと思います。われわれにとって最も大きい市場はインドです。CMF Phone 1はインドで爆発的な販売数を記録しています。予想以上のフィードバックをユーザーさんからいただいている、という感覚があります。

CMF Nothing
オレンジ色のストラップにカバーはライトグリーンを選んだ。好きな色の組み合わせを考えられる。ストラップは直販サイトにて2980円で販売されている

―― そうなんですね。なぜインドで売れているのでしょうか。

黒住氏 インドはテクノロジーに敏感な市場で、新しいものに対して感動が高い市場でもあります。われわれのコアメンバーがOnePlusの共同創業者で、OnePlusも過去にインドでかなり大きな成功を収めたという実績があり、それもうまく活用できたと思います。

 インドはスマートフォンの領域だと、恐らく他の国と比べて最も成長率の高い国です。ネットワークの整備とかも含めて、他の先進国と比べると後発なので、スマートフォンの普及自体もまだ伸びしろがあります。一方で、インドの方々はテクノロジーだけでなく、デザイン、値段にも非常に敏感です。それが、われわれの狙っているところとうまくマッチしたと感じます。

CMF Nothing
Nothing Technologyで日本におけるマネージングディレクターを務める黒住吉郎氏

―― デザインの嗜好(しこう)性はインドと日本とで異なりますか。

黒住氏 インドと日本は物に対するこだわりが似ていますが、デザインの嗜好性や方向性は若干異なる部分かと。製品の色、ディスプレイの色の調整なども異なるので、その辺はいいバランスを取っています。

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