「見たら削除して」――中居正広氏と女性A氏のトラブルをめぐる一連の問題で、中居氏がフジテレビ社員に対して削除を依頼したSMSが、デジタルフォレンジックにより復元されて話題になっている。
同社と親会社が設立した第三者委員会は、関係者のSMSやOutlookメール、Microsoft Teamsのチャット、LINEなどのデータ総計約23万件をデジタルフォレンジックにより調査。うち1950件が削除されていたことも突き止め、復元を試みた。
削除されたSMSには、中居氏からフジテレビ社員「B氏」(元編成部長)に送られた以下のメッセージが含まれていた。
「B。また、(A氏から)連絡があり、接触障害(ママ・摂食障害と思われる)と鬱で入院。やりたい仕事もできず、給料も減り、お金も無くあの日を悔やむばかりと。見たら削除して。」「どうしよか。」
このメッセージはB氏のSMSのUI上から削除されていたが、携帯端末内にデータが残っていたためフォレンジック調査で保全した。B氏はこれに対して、「なかなかですね、、私から無邪気な LINE してみましょうか??」と返信したという。
調査でデジタルフォレンジックを担当したのは、千代田区の専門企業foxcale(フォックスケイル)。
同社は、フジが役職員に貸与しているPCとスマホに加え、一部の対象者については、本人同意のもとで個人利用のスマホも保全した。PCのデータを同期していたOneDriveのデータ、Outlookメール、Microsoft Teamsのデータ、Outlookスケジュールも保全した。
メールデータとドキュメントデータは専門ソフトでデータベース化したうえで、委員会が設定したキーワードなどを用いて絞り込み、11万7425件を三段階でレビューしたという。
モバイルデバイス内のデータは、チャットとメールを抽出し、Excelシートにコピーした上で、調査委が設定したキーワードなどで絞り込み、チャットデータ10万3610件、メールデータ4493件の合計10万8103件レビューした。
それぞれ、レビューで重要と判断したデータは調査委がヒアリングなどの追加調査を行った。
調査の過程で、対象者の一部から「データの一部を意図的に削除した」という供述があった。
このため、中居氏が主にコミュニケーションツールとして利用していたとされるSMS、社内・社外とのコミュニケーションのツールとして多用されている個人利用のLINE、社内のコミュニケーションツールとして多用されているTeamsについて、チャットデータの削除痕跡を調査した。
削除されたSMSとLINEデータを復元しようとしたが、一部のLINEデータは完全には復元できなかったという。Teamsデータは削除されたものも含めて保全しているため、削除に隠蔽の意図があったかを検討した。
削除されたデータは、SMSが437件、LINEが86件、Teamsのチャットデータが1427件。
特にB氏は、2022年5月9日から25年1月10日までに、中居氏、有力出演者タレントU氏、K弁護士(フジテレビの法律アドバイザー、中居氏の代理人を務めた弁護士)とのSMS 325件を 25年1月9日から2月1日にかけて削除していたことが分かったという。
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