前回の記事で、新型「Surface Laptop」を実際に開封し、良い意味で「Microsoftらしさ」のないパッケージや、外観について紹介した。今回の記事では、Snapdragon X Eliteを搭載したモデルでさまざまなベンチマークテストを実行し、Snapdragon X Eliteの実パフォーマンスに迫っていこう。
→・新型「Surface Laptop」を開封 本体同色の外箱からも気合いが伝わってくるSnapdragon X搭載の“Copilot+ PC”
CPU-Zで搭載されているCPUの詳細を確認してみた。CPU-Zも晴れてArm版Windowsに対応したので、しっかりと情報が見て取れる。
アーキテクチャにはOryonを採用されており、シングルコア性能はIntel Core Ultra 9と比較して最大51%速く、マルチコア性能についてはApple M3と比較して最大28%速いと公式でうたっており、発表当初に「もしかするとArm版Windowsもこれから伸びてくるのでは」と感じた印象深いアーキテクチャだ。
「今、手元にOryonアーキテクチャのCPUがあるのか…!」と思っていたところ、1点だけ気になるところを見つけた。
Surface Laptop 13.8型モデルに搭載されているCPUは「Snapdragon X 12-core X1E-80-100」だが、どうやらこのモデルはSnapdragon X Eliteシリーズの中で見ると、下から2番目のモデルにあたる。
Snapdragon X Eliteシリーズのラインアップは以下の通りだ。
モデル比較表を見ると、Dual Coreブーストと聞き慣れない項目があることが分かる。こちらは高負荷時、さらにパフォーマンスを向上させるために1コアないしは2コア分だけ周波数を高くする機能だ。
最下位モデルは、Dual Coreブーストが無効化されているが、幸いSurface Laptopに搭載されているモデルでも、Dual Coreブースト時に4GHz越えの周波数を発揮できるようになっている。上位2モデルと比較すると、周波数とGPUの処理能力に若干の差があるものの、コア数やキャッシュサイズ、目玉でもあるNPUの処理能力に差はない。
筆者が購入した13.8型のSurface Laptopが512GBモデルで、ストレージはSamsung Electronicsの「PM9B1」シリーズが採用されていた。
PM9B1は2023年1月12日に発表された「PM9C1a」シリーズの1つ前の世代のモデルだ。これは筆者の推測だが、Surfaceシリーズでは、基本的にM.2 Type 2230の小型NVMeが採用されているため、採用パーツの調達事情により少し前のモデルが採用されているのだろう。
PM9B1(512GB)のベンチマーク結果は次の通りだ。
個人的な思いとしては、比較的値段の高いノートPCだったので「もう少しグレードの高いモデルが採用されていれば……」と感じた次第だ。とはいえ、利用していて苦に感じる速度でもないため、常用利用においてはそこまで気にしなくても良さそうだ。どちらかというと、パフォーマンスよりストレージ容量が気になる位だろうか。
Surface Laptopは、米国での修理する権利を強く求められている傾向もあってか、ifixitにMicrosoft公式のサービスマニュアルが用意されている。
その中にNVMe SSDを交換する手法も大変丁寧に解説されているため、過去にノートPCのNVMe SSDを交換した経験があれば、簡単に交換できる。容量不足に陥った場合、試してみる価値は非常に高い。
昔のSurface LaptopもNVMe SSDの交換は可能だったが、ケースにファブリック素材を採用している関係で、なんとハサミで切る必要があった。新型Surface Laptopはそのような心配は不要だ。
ちなみ余談だが、筆者はOneDrive for Businessのヘビーユーザーなので、購入してから1週間ほどでCドライブの空き容量が半分以下になり、早々にWD Black SN770M 1TBモデルへ交換している(メーカー保証への影響をよく確認してから実行してほしい)。
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