全国の公立小中学校で、児童/生徒に1人1台の学習用端末を整備する施策「GIGAスクール」が2021年に始まってから3年が経過した。間もなく学習用端末のリプレースが順次行われるが、全国の稼働台数でトップ(※)のNECは10月3日、新製品として「NEC Chromebook Y4」を発表した。※2023年、MM総研調べ
いきなりだが、次の写真がどのような意味を持つか想像が付くだろうか。これは、鉛筆の芯が端子に触れて発煙/発火しないように高さが配慮されたUSB Type-Cポートだ。Chromebook Y4では、これまで現場で得られたフィードバックから、大人が想定しないような使い方に耐えられる、スペック表に現れない細かなアップデートが施されている。
Chromebook Y4は、ディスプレイを奥側に360度回転させてタブレットとしても使えるChrome OS採用の2in1デバイスだ。
旧モデルの「NEC Chromebook Y3」と比べて、液晶ディスプレイ(11.6型、1366×768ピクセル)やストレージ(32GB eMMC)、LTEモジュール搭載、インカメラ(720p)、アウトカメラ(1080p、AF対応)など、同一仕様の部分がある一方で、CPU(Intel Celeron N4500→Intel N100)やメモリ(4GB LPDDR4X→4GB LPDDR5)、通信機能(Wi-Fi 6→Wi-Fi 6E)といったスペックは向上している。
こうした基本性能を向上させているのはもちろんだが、同社が大きく打ち出しているのは、学校という特殊な環境下で使われることを想定した、外装やインタフェースの改善だ。
NEC Chromebook Y4では、ヒンジ部分の内蔵ケーブルを改良することで開閉時のダメージ蓄積を軽減する新設計を採用した他、電源供給も担うUSB Type-Cポート×2や3.5mmイヤフォンジャックを全て本体左側に配置した。これは机上でPCが左側、鉛筆やプリントなどが右側に置かれて使われることを想定したもので、例えば鉛筆の芯部分が端子に触れて発煙/発火しないように配慮したものだ。
記事冒頭で紹介した通り、接地面からの高さも考慮されており、仮にPC本体左側に鉛筆が置かれても事故が起きづらくなっている。
NECの石井宏幸氏(商品企画本部 商品企画グループ グループマネージャー)によれば、学校側はちょっとした発煙であっても消防などに報告義務が発生する。万が一、そうした事故が発生してしまうと教職員の負担にもなり得るため、対策は重要だという。
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