イセトーのランサムウェア被害、その侵入経路は?【セキュリティニュースまとめ】月間セキュリティニュース

2024年10月は、VMware製品に関する脆弱性情報や新たなマルウェア、イセトーのランサムウェアの被害報告書の公開など多くのニュースが公開された。話題になったニュースをあらためて振り返ろう。

» 2024年11月01日 07時30分 公開
[田渕聖人ITmedia]

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 2024年10月も脆弱(ぜいじゃく)性情報や新たなマルウェア、ランサムウェアの被害報告書の公開など多くのセキュリティニュースが公開された。本稿は話題になったニュースをあらためて振り返る。

イセトーのランサムウェア被害、詳細な調査報告書が公開

 イセトーは2024年10月4日、同年5月26日に発生したランサムウェア被害について、外部専門家によるフォレンジック調査の結果を公開した。

 同社は調査の結果、ランサムウェア感染の原因を、VPNからの不正アクセスによるものだと公表した。VPN経由で社内ネットワークに侵入した攻撃者は、一部の取引先の受託業務の作業工程で発生した帳票データや検証物の一部の情報を窃取したという。イセトーは再発防止策としてVPNの利用廃止やデータガバナンスの徹底、従業員研修の実施などを挙げている。詳細は以下から確認してほしい。

VMware製品やFortinet製品で複数の脆弱性が発覚

 今月はFortinetのセキュリティ管理プラットフォーム「FortiManager」のゼロデイ脆弱性(CVE-2024-47575)や「VMware vCenter Server」の脆弱性が話題になった。

 FortiManagerの脆弱性を悪用すれば、サイバー攻撃者は認証を回避してFortiManagerに任意のコードを実行できる。この脆弱性については既に中国の脅威アクターによる悪用が発覚しており、急ぎ対処が必要だ。

 VMware vCenter Serverに含まれていた脆弱性を悪用されると、攻撃者によってリモートコード実行または権限昇格されてしまう可能性がある。深刻度「緊急」(Critical)と評価されているものもあるため、急ぎアップデートを適用してほしい。

Win10サポート終了問題、NISTのガイドライン草案も話題に

 この他、「ITmedia エンタープライズ」で特に話題になった記事についても紹介しよう。

 人気連載「半径300メートルのIT」では、2025年10月14日に迫った「Windows 10」のサポート終了に関連した記事が話題を集めた。同コラムではWindows 10に加えて、もう一つ注意してほしい“サポート終了日”について触れているのでぜひチェックしてほしい。

 連載「Cybersecurity Dive」では、オープンソースソフトウェア(OSS)の開発者と企業をはじめとしたソフトウェアユーザーとの間にある“格差”についてまとめた記事が注目された。企業がOSSのメンテナーに"ただ乗り"する風潮について指摘する内容だ、気になる方はぜひ読んでみてほしい。

 「Linux」のサーバを狙う新たなステルス型マルウェア「perfctl」の活動についても注目しておきたい。perfctlは2万種類以上の設定ミスを利用して世界中のLinuxサーバを悪用するという。主な特徴については以下の記事を確認してほしい。

 その他、米国立標準技術研究所(NIST)のパスワードポリシーに関するガイドライン「NIST Special Publication 800-63B-4」の第2版公開草案が発表されたニュースについてもおさえておきたい。NISTが推奨するパスワードに関する最新の規定がまとめられている。

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