アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。
Q.新人教育のための資料を作成しています。必要な情報をスムーズに伝えるためにAIを活用する方法はありますか?
新年度がスタートし、新入社員を迎え入れた企業も多いだろう。
新入社員への研修やリソースの共有をスムーズに進めるうえでも、生成AIが役立つ。今回は、業務マニュアルの整備や研修資料の作成、資料の共有などに役立つ活用方法を紹介しよう。
ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。
マニュアルなどの作成は、ChatGPTやGemini、Claudeなどの一般的なチャット型の生成AIツールであれば、基本的にどれを使っても問題ない。
「覚え書きレベルのメモは記録・共有されているけれど、きちんとしたマニュアルの形式に整っていない」という場合も、それをもとにマニュアル化すれば効率的だ。
【プロンプト】
このドキュメントを、新入社員が読んですぐに理解できるマニュアルの形式にまとめて。
(ファイルをアップロードする)
細かい指示を与えなくても、「新入社員向け」と指定するだけでかなりかみ砕いた表現で回答を出力してくれる。レベルを調整したい場合は、「一般的なPC操作について詳しく説明する必要はありませんが、経理システムの扱いについては初歩的な説明から入れてください」のように、対象者がどの程度の予備知識を持っているかを指定するとよいだろう。
過去に作成した資料を修正して使いたいケースもあるだろう。その場合は、元になるファイルをアップロードしたうえで、以下のように指示すればよい。
【プロンプト】
このドキュメントの以下の項目を変更して、全文を再出力して。
(ファイルをアップロードする)
このとき、「全文を再出力」と指定すれば、修正のない箇所も含めて全文のテキストが出力される。手元にPDF化されたファイルしか残っていない資料を作り直す場合などに便利だ。
ここまではすでに広く活用されている生成AIの使い方だが、こういった手順で作成した既存の資料をベースに、他の資料を作成することもできる。
Wordなどで作成したマニュアルから研修用のスライドを作成したい場合に重宝するのが、Microsoft PowerPoint内で利用できるCopilotだ。PowerPointでCopilotのサイドパネルを開き、チャットに「プレゼンテーションを新規作成」と送信した後、表示されるボタンをクリックすればスライド生成の画面が開く。
画面上部の入力ボックス内のクリップアイコンからは、OneDriveに保存したファイルを追加できる。Wordなどで作成した資料を追加し、「新人研修用で使用するスライドを作成」などと指示すればよい。構成案が提示された後にスライドの生成が開始される。
テキストだけで構成されたWord文書がスライドに適した形にレイアウトされ、内容にふさわしい画像も挿入される。
アニメーション効果や話者用のメモも自動で付加されているので、細かい部分を手直しする程度で、すぐに利用できるのが便利だ。
なお、既存資料をスライド化できるAIツールにはこのほかに、Webブラウザ上で利用できる「Gamma」や、Googleスライドと連携して使用する「SlidesAI」などがある。環境に応じて選ぶとよいだろう。
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